会員の活動【リフレクソロジー】
永井 智子さん(長野県)JRECトップインストラクター
心に残る声の響き~その一喝の奥に~
「だめっ!やり直しっ?」 川口先生の激しく厳しい叱責を頂いたのは、トップインストラクター講座三回目[衛生・マナ―]でのことでした。 先に模擬授業をされた方と内容が同じであったため、「以下は同じ内容の為、割愛させて頂きます」と私が言った直後でした。 その緊張感ある一喝が教室に響いた瞬間、私は飛び上がるほど驚いたと同時に(いけない!こうじゃない!)と、模擬授業の意味を理解していなかったと気付かされました。直ぐ気持ちを立て直し授業を再開しましたが、頭の隅ではこの叱責の意味を考えていました。
上田への帰路は毎回高速バスを利用し、帰宅までの約三時間は一日の振り返りや実技の手の当て方の確認などをするのですが、その日は耳の奥なのか心の中なのか・・・先生の「真剣さ」と「気迫」のこもったお声の余韻が残り、ぼーっと窓の景色を眺めながら、トップインストラクターとして何を求められているのか、この講座を通して何を学び取ればよいのかと考えました。 そして先生の一喝は、私の意識の低さに対する喝でもあった事に気付きました。 受講してこういう事を学びたい!と想像していたより、川口先生が教えようとしてくださる世界は遥かに広く高く、そして深いという事を感じました。それ以降は更に気合を入れなおし、講座に臨みました。
回が進む中、実技で特に感動したのは、肩や腕の力を瞬時に抜く魔法のようなコツを教えていただいた時です。 自分の体を動かそうとする時、意識の中ではどのように体を誘導しているのか、それを実践した時、相手に与えるインパクトはどう変わるのか…などなど。手技だけではなく、空気感や間(ま)の取り方、その場にいることでしか感じられない多くの収穫を得ました。同席くださるトップインストラクターの先輩方との相モデルでの実技講習、同じ受講生の中にも様々な職歴を持つ方がいらして専門的な話を聞けるなど、共に学びながら地元にいたのでは得られない刺激となりました。
今こうして講座を終え、毎回ノートに走り書きしてきた先生のお言葉は貴重な財産です。 読み返せばその一言の奥に様々な意味深いものを感じます。失敗を悪とせず、謙虚に学び地道に続けることの大切さ、怠け心には鞭をうち、また一歩前進する力を与えてくれます。そして心に残る声の響きは、現場に出た時のあるべき姿を示し「戒め」であると同時に、心強い「お守」となっています。この講座を通して得られた貴重な経験の全てを大切にし、立ち止まらずコツコツと歩み続けていきたいと思います。 開業十一年、マスター取得後六年目の大チャレンジでした。背中を押してくださった中澤先生、若松先生に改めて感謝申し上げます。
(JREC会報誌 Holos No.52 より抜粋)