会員の活動【くらし薬膳】

林 陽子さん(岐阜県)くらし薬膳マネージャー


「くらし薬膳」を楽しく学び、最大限に活用する

私は十数年前にJRECでリフレクソロジーを学び、それをきっかけに事務として勤めていた病院を退職しました。
現在は、岐阜県内でリラクゼーションのお店を経営しています。
岐阜市の清流、長良川のほとりにある老舗旅館十八楼の中にある「リラクゼーション川遊」。
刃物の町、関市にある日帰り天然温泉、武芸川温泉のなかにある「癒処ゆるり」。
この二店舗です。

店舗以外では、助産院での産後のお母さんのケアとして行う産褥リフレクソロジー、個人としての活動ですが、難病患者さんへの訪問トリートメントをボランティアで行っています。

くらし薬膳の勉強を始めようと決意した理由は二つあります。
一つは、仕事に活かせると感じたからです。
お店のキャッチコピーは「体の中から美しく」。
リフレクソロジーやボディケアは表面的な疲れを取るだけでなく、心にも働きかけ、心身共に健康であるように導く施術です。体のサインに耳を傾け、必要な食材を選び、心身の調子を整える…薬膳はまさに同じコンセプト。これは自身やお店の付加価値になると確信しました。
もう一つは、家族の健康に活かせるという点です。
我が家には、大学生と高校生の息子が二人おり、どちらも幼い頃から熱心にスポーツに取り組んできたので、以前から食事には気を配っていました。
まさにそんな時に、くらし薬膳講座へのお誘いの電話をいただいたのです。
毎日作るお弁当に、薬膳を活かせるのではないか。けがや故障を防いで、体を大きく丈夫にして、パフォーマンスもアップするのでは?という欲張りな思いでいっぱいになりました。
一方で、仕事に支障なく、勉強をする時間が果たして確保できるのかという不安も。
しかし、薬膳への興味は膨らむばかり、ええい、迷っている時間がもったいない。「時間はつくりだすもの、やると決めたら全力で」という自分のポリシーに則り、奮起して勉強を始めることにしました。

薬膳というと、健康志向の女性がこじんまりとしたお料理をこだわって食べる・・・というイメージがありました。
薬膳と高校球児のがっつり食トレ弁当、一見全く対局にあるようですが、食で心と体を健康に、という目的は同じ。それからは、毎日お弁当を写真に撮って、薬膳チェック。これが日課になりました。
次男を送り出すのが6時半、長男が起きてくるのが7時。この30分間を薬膳チェックの時間に充てました。
気を補うご飯、気と血を補う豚肉、体を温めるネギ・・・というように、テキストとお弁当の写真を見比べながら文章を作ります。
継続は力なり、テキストを見なくても効能などがわかるようになっていきました。

お店には、精神的な疲れ、肩こり、脚のむくみなど、様々な不調を抱えたお客様がおみえになります。
不調に合わせてアロマオイルをブレンド、ということは今までもやってきましたが、新たに薬膳の知識も取り入れられるようになりました。
どちらの店舗も温泉に付随しているので、「リフレクソロジー+薬膳+温泉のトリプルパワーで免疫力アップ」というキャンペーンを展開しています。
今の時期だと、一番大きなお悩みの一つ、「花粉症」と組み合わせます。
リフレクソロジーに使用するアロマオイルにユーカリやペパーミントをブレンド、その上「おうちで簡単薬膳レシピ花粉症対策版」プレゼント、といった具合です。
レシピを作って写真を撮って、となかなかの労力を要しますが、今後も季節に合わせて「梅雨を乗り切る」「風邪予防」といろいろなパターンを展開していく予定です。

リフレクソロジーやアロマの知識にプラスされた、くらし薬膳の知識。
今後は、お客様への問診に弁証を取り入れたり、メニューに組み込んだり、他のお店では真似のできない、「一段階上のアプローチ」として、勉強したことを活かしていこうと考えています。 そして、薬膳を勉強するきっかけとなったもう一つの理由、家族や自身の健康のためにも、引き続き学習を深めていけたらと思います。

(JREC会報誌 Holos No.55 より抜粋)